平塚市の海岸通りを歩いていると、突然と現れる大きな大きな黒松。
商店街を突き破るように、豪快にただ1本生えているその姿はなかなか迫力があります。
異彩を放つ扇松。桁下ならぬ「枝下」の標識が本格的です。
これがまた、通りの端から端までを覆うような立派な枝ぶりで、この通りを通る人は自然とこの松をくぐって
進むこととなり、思わず仰いでしまうほど。
とはいえ、商店街に孤立する姿が滑稽でもあるわけです。
「わが庵は 扇の松に ほど近く 富士の高嶺を 軒端にぞ見る」
かつてこの近所に別荘を持っていた明治の著名人、後藤象二郎もうたの中に読んだといわれる「扇松」。
古くから、この地の人に愛された木だということが伝わるエピソードです。
後藤象二郎といえば、坂本龍馬とも親交のあった偉人です。
<ひとくちMEMO>
平塚市の道にも通称はいくつかありますが、「扇松海岸通り」としっかり表記されてるのはこの通りだけ。
扇松海岸通りを抜けると、そこは文字通り海岸に面しています。
平塚七夕祭りももうじきです。海遊びのついでに、お祭りのついでに、平塚市の気になる木、見ていきませんか?
扇松がそのまま通りの名に。海岸と駅とを繋ぎます。
最近、取り上げられることの多い湘南クッキーはこの通りにもありました。